
♪ ショパン音楽大学(旧ショパン・アカデミー)夏期講習(2010)だより No.5 ♪
8月14日(土)、学生は朝9時から練習に励み、夜はフィルハルモニアの演奏会に向かいました。一昨日中止になった演奏会に替って手に入れることのできた演奏会ですが、この日のコンサートは交響曲や協奏曲が演奏される演奏会で、学生たちにとってはキャンセルになったピアノ・リサイタルより却って良かったのではないかと思っています。

[演奏会に向かう学生たち] [フィルハルモニアの舞台]
演奏は、ネルソン・ゲルナーのピアノと国立カトヴィチェ・ラジオ・ポーランド交響楽団(指揮: ヤチェック・カスプシク)、曲目はシューマンの《交響曲 第2番》、パデレフスキの《ピアノ協奏曲 作品17》、ショパンの《ピアノ協奏曲 ヘ短調 作品21》でした。

[フィルハルモニアの会場の学生たち] [フィルハルモニアのホワイエの学生たち]
8月15日(日)、この日は、もともとポーランドにとって非常に重要な日とされています。まずはカトリック教徒が国民の90%を超えるこの国にあって、8月15日は聖母マリアが天国に召された「聖母被昇天」の祝日であり、もう一つは、第1次大戦後、ようやく独立を勝ち得たポーランドに侵略を試みたソヴィエト軍をヴィスワ川の戦いで撃破した戦いを記念する「戦勝記念日」なのです。それに加えて、今年はそのヴィスワ川の戦い後ちょうど90年、しかも日曜日となりました。
ワルシャワの市民は、午前中は教会で「聖母被昇天祭」の壮麗なミサに出席し、正午からは「戦勝記念日」の式典会場に行ったり、テレビを観たりしながら祝っていたようです。ただ今日は、日中は35℃近い気温で、実際に会場に赴いた人々は例年より少なかったようです。
学生たちも朝から、近くの大きな教会で行なわれている音楽ミサに出向き、正午からは宿舎のホテルの間近にある式典会場に臨んだようです。

[音楽ミサが行われている聖十字架教会] [戦勝記念日の軍隊パレード]
その後、午後1時、私たちはショパンの生家ジェラゾヴァ・ヴォラに向かいました。車でおよそ1時間、最初にショパンが洗礼を受けたとされるブロフフの教会を訪れました。ここは要塞教会(軍事拠点ともなる教会)で、以前はずいぶん荒れ果てていたのですが、近年来改築され、今では大変美しい教会となっています。

[ブロフフ教会の祭壇] [ブロフフ教会の聖水盤]
(ショパン時代のものではありません。)
そしてそこから10㎞ほど離れたジェラゾヴァ・ヴォラへ。昨年は改装のために全面閉鎖していたショパンの生家が、今夏、新しくオープンされました。展示物や展示方法はかなり現代的になりましたが、以前の様子を知る者にとっては、昔の素朴でありながら温か味のある方が良かったようにも思えます。しかし生家のサロンでピアノ演奏があり、それを私ども聴衆が庭で鑑賞するといった一昨年までの伝統は依然として守られていました。
今日のピアニストはマレク・ブラハさん。ブラハさんは、私どもが講習を受けているショパン音楽大学の5回生。この秋のショパン・ピアノ・コンクールの本選に出場されます。ショパン・コンクールの本選に残っているショパン音楽大学の学生は、先日学生寮の演奏会で拝聴したジョアンナ・ルジェフスカさんと今日のマレク・ブラハのお二人だそうですから、私たちは幸いにも講習期間中にお二人ともの演奏を聴かせていただく機会に恵まれました。
ルジェフスカさんとブラハさんのご健闘を、講習参加者一同、心よりお祈りしています。

[ショパンの生家] [ブラハさんと一緒に]
ジェラゾヴァ・ヴォラを後にし、6時頃ホテルに戻りつきました。もう一練習と意気込んでいた学生や、演奏会に行こうとしていた学生もいたのですが、またゲリラ豪雨が襲来、それほど激しくはなかったのですが、今日は忙しい一日でもあったため、ホテルでイメージ練習そして休養ということにしました。
(講習引率: 黒坂 俊昭)
2010.08.17

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