今年もクリスマスが近づいてきました。今日、私たち日本人の暮らしの中には世界中の様々な文化が入り込んでいます。クリスマスもまた、今や日本の文化の一部となっているように思われます。しかし、その本来の意味やそれと関わるボクシング・デイというイギリスの伝統習慣を、皆さんご存じですか?
日本のクリスマスには宗教色はほとんどありませんが、本来クリスマスはイエス・キリストの降誕を祝う日です。(古くさかのぼると異教徒の祝祭からきているようですが。)
ChristmasのChristはキリスト、masはキリスト教の重要な儀式を意味します。クリスマスツリーの上に飾られる大きな星は、東方の三博士にキリストの誕生を知らせ、彼らをベツレヘムへ導いた「ベツレヘムの星」 "Star of Bethlehem"(または "Christmas Star")を表しています。クリスマスツリーは旧約聖書に語られる「知恵の木」を表し、サンタクロースはたくさんの奇跡をおこなったとされるキリスト教の聖人、聖ニコライをモデルとした伝説上の人物です。
クリスマスと結びついたイギリスの伝統として、ボクシング・デイ(Boxing Day)というものがあります。ボクシング・デイとは、クリスマスの翌日の12月26日(26日が日曜の場合は27日)をさし、イギリス、カナダ、オーストラリアなどでは法定休日となっています。この日は、もともと貧しい人への施しとして教会に届けられたクリスマス・ボックスを開ける日でしたが、やがて使用人や郵便配達人、掃除夫などにささやかなプレゼントや心付けを贈るようになりました。日本にも、お世話になった人や上司に「お歳暮」を贈るという習慣がありますが、このボクシング・デイの習慣は、友人でも家族でも上司でもなく、自分達のために働いてくれる人達に贈り物をするというところが素晴らしいと思います。
19世紀の英国作家チャールズ・ディケンズの作品に『クリスマス・キャロル』という作品があります。映画やミュージカルなどにもなった有名な作品です。金の亡者と成り果てたスクルージという男が、友人の幽霊とクリスマスの精霊の導きで慈悲の心に目覚めるという一種のファンタジーですが、その中にイギリスの伝統的なクリスマスの様子が生き生きと描き出されています。この季節、是非一度読んでみてはいかがですか?
石川玲子
2011/12/21
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