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年頭挨拶 -相愛学園新理事長 兼 相愛大学学長 金児曉嗣-

新年のご挨拶

新年のお慶びを申し上げます

この1月1日より、出口前理事長の後を受け理事長に就任し、学長を兼務することになりました。相愛学園の建学の精神、「まさにあひ敬愛してあひ憎嫉することなかるべし」を具現化し、相愛学園・相愛大学の再興をはかるべく全力を尽くす所存ですので、どうかよろしくお願いいたします。

昨年はいろんなことが起こりました。なかでも、3月11日の東日本大震災は日本社会を震撼させ、 多くの人びとが悲しみ、心を痛めた出来事でした。巨大地震、巨大津波に未曾有の原発事故が重なり、今もって明日が見えない状況にあります。そうしたなかで、家族や親族を亡くされた被災者の方々にとって、仏教による追悼の儀式が何よりも悲しみを和らげた、と各種メディアが報じています。

私たちは、近代科学が推し進めてきた効率性や快適性を享受してきました。原子力エネルギーの利用はその最たるものでありましょう。近代主義の背後にある自力の思想、人間の力を最上のものであるとして、それに全幅の信頼を寄せる考え方は、人類に大きな利便性をもたらしましたが、他方では大きな限界があることをあらためて思い知らされました。

しかしまた、今回の災害で深い無力感、挫折感を経験した人たちこそ、他力すなわち阿弥陀如来の働きに触れる機縁ともなるのだと思います。もちろん、私たちが日常生活を送るうえで、自分の力を信じて努力することはとても大切なことです。病気になれば、近代医学による治療は必要ですし、それによる治癒の可能性を信じなければなりません。受験生は自分の力を信じて勉学に勤しまなければなりません。教員は自己の教育研究能力を、職員は事務能力を磨き上げるべく努力を惜しまず励むことが必要です。

けれども、とことん自力を頼りに頑張っても、人間の無力さに思い至る時が人生の節々に必ず用意されています。私たちは自力ではどうしようもない自然や宇宙という大きなものに囲繞され、もとより無力な存在であることを自覚して、初めて阿弥陀如来の呼びかけに逢えると言えましょう。この呼びかけに呼応したお念仏が本願召喚の勅命と親鸞聖人はお示しくださいました。

また、覚如上人は『執持鈔』のなかで、「ひとすじに如来にまかせたてまつるべし」と、すべての人間の思慮判断(はからい、自力心)を捨てて、阿弥陀如来に一切を任せよ、と述べておられます。

とはいえ、自力と他力はけっして拮抗するものではありません。寺島実郎氏は『世界を知る力―日本創生編』(PHP新書)において、「自力は他力に促され、他力は自力を待って働きを見せる。危機のときこそ、他力と自力は共鳴しあい、わたしたち衆生に、蘇生するための光明と力を与えてくれるのではないだろうか」と、まことに含蓄のある表現をされています。厳しい状況のなかにあって、親鸞聖人のみ教えを仰ぐ相愛大学にとって、大切なことを教えていただきました。

相愛大学学長 金児曉嗣