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今回はゼラチンとカラギーナン(アガー)を使った実験をしました。
ゼラチンの原料・成分は牛や豚などの骨や皮からできています。成分はコラーゲンとも呼ばれます。このコラーゲンは硬いたんぱく質でできていて、これを熱水抽出して粉状や板状にしたものがゼラチンです。
寒天の原料は海藻で、テングサやオゴノリといった紅藻類からできています。
カラギーナンの原料も海藻で、すぎのりやつのまたと呼ばれる海藻類からできています。
ゼラチン、寒天、カラギーナンそれぞれ特徴があり、それぞれどのようなゼリーが出来上がるのか実験します。
まずは、生のパイナップルをミキサーにかけて果汁を取ります。3つ分取れたら1つは電子レンジで加熱します。
鍋に分量の水を入れ、ゼラチンをふり入れ5分間浸漬します。
A)70℃前後の湯煎でゼラチンを溶かし、砂糖を加えてさらに溶かします。
B)Aと同様のものを約40℃に冷やして生果汁を入れます。
C)Aと同様のものを約40℃に冷やして加熱果汁を入れます。
ABCそれぞれ水で濡らしたプリン型に入れ、氷水(約5℃)で20分間冷やします。
D)鍋に粉寒天と水100gを入れ加熱し、沸騰後に寒天が溶けたら砂糖100gを入れ、プリン型に入れます。
E)鍋に粉寒天と水80gを入れ加熱し、D同様に寒天が溶けたら砂糖80gを加えて溶かします。約60℃に冷ましてから生果汁20gを加えてプリン型に入れます。
DEそれぞれ約5℃の氷水に20分間冷やします。
2A)鍋にカラギーナンと砂糖を入れよく混ぜてから80℃以上の温水を加え、弱火で加熱しながら完全に溶かします。
2B)2A同様にし、そこに牛乳30gを加えます。
2A2Bそれぞれプリン型に入れ約5℃の氷水で20分間冷やします。
ゼラチンゼリー、寒天ゼリー、カラギーナンゼリーそれぞれ20分後に皿の上に出してみました。
Bのゼリーは固まりませんでした。これはたんぱく質分解酵素(プロテアーゼ)の働きによってゼラチンが固まらなかったからです。酢豚にパイナップルが入っていたり、豚の生姜焼きに生姜を入れるとプロテアーゼの効果で肉を柔らかくなったり消化を良くしたりする働きをします。このプロテアーゼは加熱すると失活するので加熱果汁のCは固まったのです。
それぞれ試食してみて硬さや舌ざわり、透明度なども観察してみました。
暑い日や食欲が無い時は食べやすいゼリーを使ったお菓子などそれぞれの調理特性を活かして夏バテ防止の工夫もできると良いですね
助手 寺川